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スパイダーマン:スパイダーバース

スパイダーマン:スパイダーバース

人間は出会いとコミュニケーションによって成長し、他人との関わりと彼らからの評価によって社会的な価値を得ることができる。

中学生時代のぼくは、イチローのような柔らかく美しいスイングに憧れて、毎日バッティングセンターでマシンを相手にバットを振っていた。

数ヶ月かけて左打ちに矯正し、イチローみたいにかっこよくスイングできるようになったけれど、それに果たしてなんの意味があったのだろう。

ぼくは野球部ではないし、誰かと野球をしたことがなかった。野球部に入る勇気もない。そもそも学校に行くことすらできていなかった。

いくら努力を重ねても、それが正しいのか間違っているのかさえ分からない。 当時はそんな自分に他人との関わりがない人間の無価値さを強く感じていた。

外の世界に踏み出す価値

あれから数十年。ぼくは未だに一人でバットを振っている。

相対的な自己評価だけを手がかりに成長しているつもりでいたのだけど、ふいに先に書いた中学時代を思い出して、何も変わっていないことに呆れてしまった。

昔よりは自分のやっていることの意義や外部からの評価を感じてはいるけれど、本質的には何も変わっていない。 ぼくは、ひとりでバットを振るのが心底好きなんだろうなあ。

うん、好きなんだけど、最近はなんだか物足りない。 誰かと何かを作りたい。きっとその方がひとりで打ち込むより大きな成果を出せる気がするし、達成感もあるはずだ。

残り数ヶ月で平成も終わるし、次の年号はもうちょっと外向きに生きていきたいなとスパイダーマン:スパイダーバースを観て思った。

孤独のヒーローではないスパイダーマン

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ニューヨーク、ブルックリン。マイルス・モラレスは、頭脳明晰で名門私立校に通う中学生。彼はスパイダーマンだ。しかし、その力を未だ上手くコントロール出来ずにいた。そんなある日、何者かにより時空が歪められる大事故が起こる。その天地を揺るがす激しい衝撃により、歪められた時空から集められたのは、全く異なる次元=ユニバースで活躍する様々なスパイダーマンたちだった――。

本作のスパイダーマンは、孤独じゃない。

両親、叔父のアーロン、複数の世界からやってくる様々なスパイダーマンが主人公を支え導いてくれるのです。

他社との関わりの中で“大いなる力”の正しい使い方を身につけ、“大いなる責任”を果たそうと戦う主人公の成長に感動しました。

ぼくはスパイダーマンが大好きなので、始まって10分かそこらでもう号泣……。

スパイダーマン:スパイダーバースは“家族”を強いテーマとして描いた作品。その愛ゆえに暴走してしまったり、愛ゆえに強くなれたり……。いろいろな形で描かれる心の繋がりに胸が詰まりました。

愛ってなんなんでしょう……。高潔なだけが愛じゃないんでしょうね……。

考えさせられるストーリーはもちろん、映像がとにかくかっこいい。音楽やテンポもスピーディーでキャッチー。吹替版も良かったので、字幕版も観に行きたいです。

みなさんも良かったらぜひ🕷